山本の愚かな休日 前編「罪とバチ」

砂浜を掘って掘ってひたすらに掘って。

それは永遠の作業でした。

のどは乾き、陽も沈みかけ砂浜には私ひとり。

この事態どぉすればいいんだ!!!

 

時間をさかのぼる事、夜中の2時。

山本は伊良湖岬に向けて車を走らせていたのでした。

世の中の人たちが自粛の生活の中、

勝手に自分の作ったマイルール「会わず、しゃべらず、触れ合わず」のスローガンを胸に

ひた走らせていたのでした。

サウザーか。

 

お昼まで釣りを楽しんだ後、しばらく昼寝をして

さて2ラウンド目がんばるか〜〜〜!

海岸沿いの砂地の道。

4月の爽やかな風を頬にうけ、コロナウイルスなぞどこふく風。

海にきた時のこの万能感!

気持ち悪!!!

お待たせしました

この万能感が粉々に崩れ落ちるまで

5、4、3、2、1、、。

 

あれれれぇ〜〜〜〜

車が前に進まないぞ〜〜〜。

 

車を降りてタイヤを見ると砂地に後輪がめりこんでおります。

いわゆるスタックというやつ。

こういうときはバックにギアを入れて

アクセルふむ、っと。

車は微動だにせず車体が右に傾きながら地面に沈んでゆくのが実感できました。

やば〜〜〜(冷汗)

車はタイヤが地面にめり込んでしまいまるで王蟲のよう。

いい子だから森にお帰り。などという戯れをのたまう余裕なぞございません。

こうなったら掘るしか無い!!

さすがにテンパる。

「バチじゃあ〜〜バチがあたったんじゃ〜〜大地の神、いや小池百合子様のバチが当たったんじゃ〜〜」

考えろ!!考えるんだ俺!!!

とりあえずタイヤが見えるまで掘って、ある体後の空間ができたらそこに

木の板などをかませて脱出するのだ!何かで読んだ!!気がする、、。

そう思った私は無我夢中で素手にも関わらず砂浜を掘りはじまるのでした。

それがもがけばもがくほど地中深く沈んでゆくアリ地獄とは知らずに、、。

後半に続く。